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ナイスはもともと「愚かな」という意味だった

nice は「愚かな」という意味だった

日常的に使う言葉の中に外来語はたくさんありますが、なかでも感嘆詞として使うことのできる「ナイス」はいろいろな場面で使われる最も頻度の高い部類のコトバなのではないでしょうか?

もちろん意味は良いとかいいねー。とかそういうニュアンスですね。 英語での意味もgoodとかと同じです。 しかし、語源、元々の意味となると「愚かな」という全く逆の意味を持つ、悪いイメージのコトバだったのです。

今でこそ「良い、立派な、親切な」など良いことずくめの nice ですが、当初は目もあてられない意味を引きずっていました。語源辞典によると、‘彼’は foolish(愚かな)から人生をスタートしています。信じられないことです。 He is nice. が「彼は愚かだ」だったなんて。

衝撃的な事実。 「ナイス=愚かしい」とはどういうコトなんでしょうか? そもそもはラテン語の「nescius(愚かな、愚かしい)」というコトバだったようです。 この単語がフランス語に入って「nice」となり、英語に導入されたという経緯があるようです。 でもこのときにはまだ「ナイス=愚かしい」でした。 なぜ「愚かしい」が「良い」に変わっていったのでしょうか?

全く逆とも思える意味になったわけですから、段階を経た変遷があったようです。

少し成長して、新たな意味を帯びました。simple(単純な)です。あまり代わり映えがしません。唯一の取り柄は1つのことに打ち込む姿勢でした。彼はワインにはまりました。一意専心、ワインに注ぐその熱意はとうとう彼をソムリエにまで押し上げました。この頃です。彼に「(好みが)うるさい、気難しい」の意味が加わったのは。その代わり、彼が推薦するワインは間違いなく人々の舌を満足させました。あまりにもおいしかったので、人々は彼を見ると「おいしい」を連想してしまいました。彼が出世の糸口をつかんだのはこの時です。意味も delicious に変わり、あとは順風満帆、出世街道を邁進しました。

「一辺倒な」くらいの意味から「職人気質」というような意味へ移行して「気むずかしい」へ。 そこから好転して「美味しい」へ。 ここがポイントなんですね。 ここでは擬人化してワインのソムリエをなぞらえていますが、職人気質が評価されたということでしょう。

英語に導入されたのが16世紀頃で、良い意味になったのが19世紀頃だといわれているようです。 理解されるまでに300年近い年月がかかったということです。 ちなみにフランス語の中で変わったのか、英語の中で変わったのか解りませんでした。 どちらということなく変化していったと解釈するのが妥当かもしれません。

もっとも、英語圏では完全な「良い」つまりgoodと同義ではないようで、他人をほめるときにniceを使うのはあまり好ましくないようですね。 そういうときにはgoodを使うんですね。 つまり、日本語に輸入されてniceはナイスとなり、さらに良い意味へと変化したといえそうです。

全く逆の意味になっていく言葉は日本語の中でも「煮詰まる」など(まだ変遷途中で評価が分かれますが)いくつかありますね。 300年後の日本語はもっともっと変わっているかもしれません。 コトバは生き物なんだということを実感させられる話題でした。

Comments:4

のみやま 05-04-17 (日) 8:26

いつもへーへーへーを連発してしまうエントリー、楽しませてもらっています。
正反対の意味っぽい日本語と言えば、すぐに思い出すのが「いい加減」でしょうか。
この言葉の面白いところは、「よい加減」と言い変えると、同じ表現のはずなのになんだか別の意味になってしまうんですよねー。

とし 05-04-17 (日) 12:38

> のみやまさん

いつもありがとうございます!
「いい加減」とか、「適当」というような言葉は本来「ちょうど適正な具合」というような意味合いだと思うのですが、力を抜いているとか手抜きしているというようなイメージの言葉になってしまっていますね。
この辺のことも調べてみたいなあ。

TJ 05-04-18 (月) 8:07

>もっとも、英語圏では完全な「良い」つまりgoodと同義ではないようで、他人をほめるときに
>niceを使うのはあまり好ましくないようですね。 そういうときにはgoodを使うんですね。
> つまり、日本語に輸入されてniceはナイスとなり、さらに良い意味へと変化したといえそうです。

イギリスの方ではどうかわかりませんが、アメリカでは「良い」意味で使いますよ。
人・物を褒めるときにはあまり使いませんが、それ以外の物事を褒めたり感心したときに使っています。
別段意味的に”完全に「良い」という意味ではない”のではなく、場合によって使い分けている感じです。
確かに和製英語化したniceとの意味の差は有りますがnice自体が日本語に輸入されて云々っていうのは語弊があると思います。

「いい加減」は”いい加減にしておけ(度を超すな)”等の後ろが省かれて使われるようになった、省略で意味が変わって使われる言葉の一つっぽいですね。

とし 05-04-21 (木) 16:59

> TJさん

レスが遅くなって申し訳ありません。
ふむふむ。 人をほめるという用途に使わないだけで、
決して悪い意味があるわけではないと云うことですね。
なるほど。

日本に輸入されてから云々という下りは、完全に僕の意見です。
おっしゃるとおり、ちょっと言い過ぎてしまったかもしれませんね。

貴重なご指摘ありがとうございました。
これからもよろしくお願い致します。

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Trackbacks (Close):3

trackback from 匿名 05-04-17 (日) 9:35

それにつけても 金の欲しさよ

「それにつけてもおやつはカール」の「それ」とは何か?-+-Goonie!-+-  なるほどねー。  またムダ知識をひとつ増やさせていただきましたよ。 関連:「カール」にまつわるエトセトラ ナ…

trackback from ネコバス通信 05-04-17 (日) 20:47

いつのまにかイイ意味になっちゃってる

Orbium -そらのたま-さんの記事ナイスはもともと「愚かな」という意味だった

trackback from メイドカフェ ぴなふぉあ 05-04-18 (月) 17:04

ナイス=愚か!?

ナイスはもともと「愚かな」という意味だった
…らしいです。

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