- 2005-05-21 (土) 14:43
- 生物
研究チームはまず、ボランティアの女性18人が提供した、卵子のもとになる卵母細胞185個から女性のDNAが入った核を除去。その細胞に、脊髄損傷や若年性糖尿病など実際の患者の皮膚細胞(体細胞)から採取した核を移植した「クローン胚」を作製した。31個のクローン胚が胚盤胞(はいばんほう)と呼ばれる段階まで成長し、うち11個からES細胞を取り出すことに成功。結果的に、皮膚細胞を提供した患者11人中9人は、移植しても拒絶反応の起きない自分のDNAが入ったES細胞を合計11個、1人当たり1~2個作ることができた。
卵子の元となる卵母細胞からES細胞を作り出すことに成功したという報告です。
ES細胞は与える刺激などによって心筋細胞や脊髄細胞など様々な細胞に分化する能力(全能性)を持つ細胞です。 これまでES細胞は胎児からしか発見されておらず、倫理的な問題となっていました。 今回の報告ではES細胞を胎児からではなく成人女性の卵母細胞から作成することができるようになったというもので、再生医療の材料となるとして期待されています。 その効率も十分に実用レベルだということですので、倫理的な問題がクリアできれば再生医療が実用的になる可能性もありますね。
しかし、残念ながらES細胞があれば再生できるようになるという単純なものではなく、再生させたい器官にどのようにES細胞を定着させるかなどの技術的な問題が多く立ちはだかっており、まだまだ研究が必要な分野だと云えます。
安全性の確保、倫理的な問題、技術的な問題と多くの課題がありますが、再生医療には非常に大きな期待があります。 これからの研究と議論に注目していきたいですね。
- Newer: 回転するゆで卵は自然に宙に浮く? 理論的研究の醍醐味
- Older: 黒い顔・低音の新種サル、タンザニア高地で発見



