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痛み止めとして投与する麻薬で依存症にならないのはなぜか?

  • 2005-06-02 (木) 5:41
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患者、麻薬中毒にならないのは?

がんの痛み治療ではモルヒネなど麻薬を使う。使っても患者は麻薬中毒にならない。なぜか。
普通の人が麻薬を使うと、快楽が忘れられず再び薬がほしくなる。これを精神的依存という。
痛み治療では事情が違う。世界保健機関(WHO)は96年刊の冊子で「鎮痛のためモルヒネなどを投与されるがん患者には、精神的依存が起きない」と明記している。

ガン患者などの痛みを和らげるのに「モルヒネ」などの麻薬が使われますが、患者は薬物依存症にならないのだそうです。 依存症にならない程度に工夫して使っていると思いこんでいたし、深く考えていませんでした。 しかし、そもそもガンなどの激痛に襲われている患者は薬物依存症にならない。 薬物依存症は物理的なものだと思っていたので意外な事実でした。

依存症にならないことは、以前から経験的によく知られていたことのようですが、日本の科学者がマウスを使った実験でそのメカニズムを明らかにしたそうです。 炎症を持ったマウスと正常なマウスにモルヒネを注射して、その後依存症の原因となるドーパミンの脳内での濃度を測定するという実験を行ったところ、炎症を持っているとドーパミン濃度の上昇が少ないことが解ったということです。
このときにドーパミンの分泌に歯止めをかける機構が働いていることを突き止め、激痛に襲われているときにはドーパミンを分泌しにくいということが明らかになりました。 そのため、薬物依存症にならないわけですね。

このことは、非常に興味深い事実です。 ドーパミンは行動の動機付け、習慣づけを行う物質で、同時に快楽も得ます。 一般的に麻薬やタバコなどを摂取したときには大量に分泌されるため、これによって強烈に動機付けされ習慣となるわけです。 これが依存症ですね。 でも激痛があるときには抑制する。 快楽を得ることを放棄していると考えることもできますね。 普通に考えたら痛いときこそ快楽を得れば良いはずなのに。 なぜでしょうか? また抑制とは違いますが、ドーパミンが少なくなるとパーキンソン病になります。 筋肉が弛緩して動けなくなる病気です。 それと何か関係があるのでしょうか?

まだまだ解らないことだらけですが、これからの研究に期待したいですね。 うまくいったらドーパミン濃度を調節して依存症を撲滅することができるのかも知れません。 ドーパミン濃度をいじることは、行動を操作することができるようになるとも云えるので、悪用されてしまうと大変ですが、依存症に悩む人たちの光となると良いですね。

【追記】
痛いときに快楽を得たらマゾになっちゃいますね。 激痛を感じたときにそこから回避しようとしなくてはならないため、ドーパミンを分泌しないように抑制をかけるのが正しい解釈だと思います。

コメントでつっこんで頂いた、はちすずめさん、stereo_eyeさん ありがとうございました!

Comments:9

はちすずめ 05-06-02 (木) 21:58

はじめまして。
とても興味の沸く話題が満載で、しかもわかりやすくまとめられていて、
好奇心と探究心、すごくくすぐられました。

ちょっとだけ、話にはいらせてもらっていいですか?
「激痛を感じたらドーパミンが出る」、ひとがいたら、きっとその人は自分を痛めつけることに夢中になって、長く生きられないんじゃないでしょうか。

stereo_eye 05-06-02 (木) 23:02

>普通に考えたら痛いときこそ快楽を得れば良いはずなのに。

そんなことしたら、みんなマゾになっちまいますがな。
逆にマゾヒストは快楽を得るのかもね。

普通は苦痛から逃れなければ生きていけませんね。

とし 05-06-03 (金) 0:13

> はちすずめさん、stereo_eyeさん

そうですね、そのとおりです。
なんで気がつかなかったんでしょうね(苦笑)

直して追記をしましたので、よろしかったらご覧ください。
ありがとうございました。
これからもよろしくおねがいします!

ent 05-06-03 (金) 0:50

補足というか。
正しく使えばの話ですね。
普通に身体依存はしますし
ちゃんと定められた量を守らなければ精神依存になります。
医療目的でのモルヒネ普及に絡んだかなり寄った記事に見受けられます。

とし 05-06-03 (金) 1:30

> entさん
> 普通に身体依存はしますし
> ちゃんと定められた量を守らなければ精神依存になります。
なるほど。
全くならないわけではないんですね。
たしかに、ドーパミンの分泌も量が抑制されるだけであって、
停止するわけではないから過度に摂取すれば依存してしまうと云うことですね。

> 医療目的でのモルヒネ普及に絡んだかなり寄った記事に見受けられます。
WHOの冊子というのがどういうものなのかつかめませんでしたが、
国際的にモルヒネ使用を促進させようと云う動きがあるということなのでしょうか?

コメントありがとうございました。

Cyder. 05-06-03 (金) 21:48

> 国際的にモルヒネ使用を促進させようと云う動きがあるということなのでしょうか?

これはあります。特に日本では。なぜか?

強いがん性疼痛などの治療にはモルヒネを含むオピオイド(麻薬製剤)の使用は不可欠とされています。しかし、日本では外国に比べ非常にオピオイドの使用量が少ないのです。
アメリカの医療用オピオイド年間消費量が百万人あたり250kgを超えるのに対し我が国は1kg程度です(2001年)。
日本人は痛みに強い?  そんな訳ありませんね。

昨今は緩和医療が終末期に行われる特殊な治療であるという誤解が、がん治療のあらゆる時期に症状緩和をもたらすものであると解けてきているようですが、いまだに日本人にとって「がんは痛い」というイメージです。
オピオイドの使用を含んだ適切な緩和医療の普及が必要だ、とされています。

※元記事の偏りを否定する書き込みではありません。

とし 05-06-03 (金) 22:26

> Cyder. さん
元記事でもモルヒネ使用量については触れられていました。
イメージが悪い(?)ために使われないことが多いと云うことなのですね。

僕自身も「ガン=痛い」というイメージを持っています。
オピロイドをうまく使いながら症状緩和をしていくべきなのですね。

記事自体にオピロイド使用拡大を勧めようとする意志がありそうなことは解りました。
それと同時にガンに対してオピロイドの使用が必要なものであると
いうこともまた事実だと云うことですね。

コメントありがとうございました。
コメントをいただいて知識を広げられるというのは
非常に楽しいですね。

これからもよろしくお願い致します。

ent 05-06-04 (土) 13:56

普及していない理由の一つに
日本人の麻薬に対する必要以上の悪イメージもあげられます。
日本って大麻の医療目的での使用に関しても後進的ですよね。
厚生省ちゃんと仕事しろ。
(自分は別に大麻推進派とかじゃないです)

とし 05-06-04 (土) 16:03

> entさん
たしかに麻薬には悪いイメージがありますね。
医薬品は過度の使用によってカラダに悪影響を与えるものが殆どですが、
悪いイメージはありませんからね。

もちろん麻薬撲滅(ドラッグとして)は必要だと思いますが、
医薬目的でのオピロイド使用の有用性をもっと広く宣伝すべきかも知れませんね。

イメージを覆すのは大変でしょうががんばって欲しいものです。

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