- 2006-03-13 (月) 20:48
- 生物
「万人不同」といわれ犯罪捜査に使われる指紋。一卵性双生児(双子)でも指紋は違うのだろうか。
指紋はその模様から弓状紋▽蹄状(ていじょう)紋▽渦状紋、に分類される。英国の遺伝学者ゴールトン(1822~1911)は、指紋を形作る線の起点や合流点、分岐点などの特徴点に着目し、これが一致する確率は約640億分の1と推測した。地球の人口は約65億人だから、同じ指紋を持つ人が同じ時代に生きていることは、ほとんどなさそうだ。
指紋は自分だけのものであって他人とは異なるものだと、小さい頃から教えられて来たのではないかと思います。 現に拇印や指紋認証、法廷での証拠などとして、自分を断定するものとしても使われています。 その指紋が本当に自分だけのものなのか、同じ人はいないのだろうか? という話題です。
この記事では、一卵性双生児についてその指紋が一致しないかどうか調べています。 ご存じの通り一卵性双生児は持っている遺伝子のセットが全く同じですからぱっと見た目はほぼ同一人物であるなんてこともよくありますね。 顔や体型は似ていても指紋はどうなのでしょうか?
そもそも指紋はどのようにしてできるのでしょうか? 指紋とは一体になんなかという疑問から。
指紋は汗腺の開口部が隆起した線によりできるもので、人や指ごとに紋様はすべて異なり一生変わらないという特徴を持っています。これは表皮がそぎ取られるようなことがあってもその下で皮膚ができてくるときにはすでに指紋を持っていて、復元するためです。 個人個人だけではなく指ごとに異なる指紋を持っているわけです。
そのため指紋は日本では江戸時代から拇印という形で本人を表す印として使われてきました。しかし、その研究となると意外にも歴史は浅く、1880年代に英国のヘンリー・フォールズによって始められたと考えられています。日本の拇印による指紋認証(少し語弊がありますね)は世界に先立って行われていたと言えるようです。そのために欧米は拇印ではなくサインの風習があるのかも知れませんね。
指紋には大きく分けて4つの種類があります。
- 渦状紋:渦状の指紋
- 弓状紋:弓状の縞が積み重なった指紋
- 蹄状紋:馬のひずめのようになった指紋
- 変体紋:上記以外の指紋
文字で書くとわかりにくいのですが、このサイトで画像付きで説明されているので見ていただければすぐにわかると思います。
日本人では渦状紋が5割、蹄状紋が4割、弓状紋が1割で変体紋はほとんどいないと言われています。日本では1本の指で12点以上が一致したときに「指紋が一致した」と見なしています。
では、双子の場合はどうなのでしょうか。
結論からいうと、双子でも指紋は異なります。 398組の一卵性双生児を対象に指紋を上記の4つの分類で見たときに、同じものを持っているか調べた調査では78%の双子が一致するという結果がでています。たとえ一致したとしても細部は異っていて、簡単に区別がつくようです。もちろん指紋認証では判別することができるレベルだと言うことです。
むしろ、78%しか一致しなかったという結果が驚くほど一致率が低いという印象ではないでしょうか? 一卵性双生児でも顔をよく見たら区別がつくように指紋にも違いがあらわれると言うことですね。
しかし、顔が変わるのは環境などによって何となくわかるのですが、指紋については後天的に変わるとしてもなぜどのようなきっかけで変わっていくのかイメージしづらいですね。実際に指紋がどのようにして形成されるのか、なぜ双子でも違うのかなどについてはよくわからないということです。一卵性双生児において78%が一致したということから遺伝子の影響を受けているのは間違いないと思います。 ですが、なんらかの外的因子が働いてことなる模様になっているわけです。
もちろんこれは指紋だけではなくあらゆるものについて言えますが、表情や臓器と比べて一見無機質な指紋ではちょっと不思議に写るのではないでしょうか。
- Newer: ホタルが光るメカニズムが明らかに
- Older: 花粉症の薬で「眠くなる」は誤り? 「目が覚めなくなる」が正しかった?



