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消臭剤はどうして自身の香りを消臭しないのか。

消臭剤の香り なぜ消えない?

でも不思議だなあ。トイレのいやなにおいは消されるのに、どうしていい香りは一緒に消えちゃわないのかな。

普段は気にしないけど、聞かれてみると少しだけ困ってしまう疑問かもしれません。

臭いは臭いの原因になる分子が鼻の粘膜細胞にある嗅覚受容体に結合して刺激として感じられます。消臭するためには臭いの原因分子が鼻に入らないようにする、もしくは原因物質が受容体に結合できない形にしてしまえばよいわけです。記事では、消臭の方式を4つに分けてまとめています。

  1. 消臭剤の成分と臭いの原因分子を化学反応させて分解する
  2. 活性炭に吸着させて分子の飛散を食い止める
  3. 臭いの原因分子を産生するバクテリアを死滅させる
  4. 良い香りでごまかす

分解させる方法では主にアンモニアなどのアミン系の化合物や硫黄の入ったメルカプタン類(チオール類)の2つに分けられます。アミン系の分解には酸塩基反応、ようするに中和反応を使って塩基性であるアミン類を酸性物質で中和してしまいます。
メルカプタンは生物が最も嫌う臭いともいわれているんですが、こちらは酸化還元反応を使って臭いを中和します。末端に持つ-SH基は酸化によって-S-S-結合(ジスルフィド結合)にする方法です。

活性炭などの吸着剤を使う方法は、そのままです。活性炭には数ナノメートル(10-9m)の穴が無数に開いていて、1gあたりの活性炭で1000m2ほどの表面積を持つといわれています。この無数の孔に臭いの原因となる分子を吸着させるわけです。吸着するときにはたまたま活性炭の表面に来た分子が孔に嵌るので消臭速度はそれほど速くありません。そのため、フィルタなど強制的に接触させることができる部分に多く使われています。

バクテリアの死滅は、臭いの生成元を絶とうという簡単なアイデアです。微生物と関係のある臭いとして身近にあるのは、生ゴミの臭い、生乾きの洗濯物の臭い、かび臭さなどよくある悪臭は微生物が生成しているといっても過言ではないので効果的です。微生物の死滅はアルコール殺菌などが効果的です。
脱線しますが、これは特殊な菌がいなければという仮定付きです。酒造りに使われる酵母はアルコール耐性を持っているし、超好熱菌と呼ばれる細菌は90℃の中でも生きてる。さらに放射線でも死なない、人の1000倍もの耐性を持っている菌も世の中にはいます。放射線耐性菌(Deinococcus radiodurans)は原子炉の中でも生きているという話です。

大きく脱線しましたが、最後の良い香りでごまかすのはおそらく数の理論だと思います。人間の知覚する臭いは嗅覚受容体に結合した分子の平均値に近いとされているので、良いにおいが多ければ悪臭は消えてしまうというコトだと思います。ただし良いにおいでも多すぎると刺激になってしまうので、気をつけないといけないでしょう。

最後に嗅覚受容体の話ですが、人間の場合ほかの受容体に比べて圧倒的に種類が多いといわれています。なぜなら嗅覚受容体は1種類でいくつかの臭い分子としか結合することができず、たくさんの受容体を組み合わせて臭いとして関知しているためです。
ヒトの染色体は23対ありますが11番染色体にコードされているほとんどの遺伝子が嗅覚受容体だといわれています。

というわけで消臭の仕組みを書いてきましたが、1や3の方法の消臭剤にはこのような成分+芳香成分が配合されています。その芳香成分は消臭とは無関係で、かつ分解もされないので作ってあるので良い香りは消えないというわけですね。しかし、ちょっと聞かれてこれだけ返答されたら引くだろうなあ。

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