- 2007-11-23 (金) 0:52
- 生物
カエルは3センチほどのマダラヤドクガエル36匹。生息地の中南米では、外敵に食べられないように皮膚から毒を出す。かたやヘビは体長140センチの南米原産種だが、日本生まれのエメラルドツリーボア。野生で育っていないヘビがカエルを襲ってしまうのか、共存できるのかの試みだ。
上野動物園で始まった展示の記事です。
生まれも育ちも動物園のエメラルドツリーボアがはじめてみる毒ガエル、マダラヤドクガエルを普通のカエルと同じように食べてしまわないかどうか実験してみようという展示です。
結果、はじめてでもあの毒々しい模様のカエルを食べることはありませんでした。
さて、これはなぜなのでしょう? ちょっと考えてみました。
これは警戒色の意味を考えれば当たり前のことではないかとおもいます。ヘビが直感的に危ないと思うわけですね。ちょっと不思議な感じがしますが生物には、私たち人間にも、そういった機能がついています。
人間でも腐ったものを食べたら「経験的に」ではなくて「直感的に」危ないと感じる。大人だと経験的な側面が大きいかもしれないけど、子供でも苦かったり不味かったりすれば口から出すわけです。ヒトがヤドクガエルのような模様を見ると毒々しいと嫌悪感を覚えるのもその機能が働いているからかもしれません。
ヘビがどの程度色や模様を認識できているのか僕はよくわからないのですが、何らかの訴えるものがあるのでしょう。この展示スペース内でヘビが見ている(感じている?)ものは、あくまでも警戒すべきものが跳ね回っている状況なのであって、ご飯が跳ね回っているようには感じないのだと思います。
さて、これが生物の機能だというのは簡単ですがそれがどのようなメカニズムで発生しているかというのは難しい問題です。ちょっとレベルは下がりますが走行性というものがあります。街灯に虫が寄っていくアレですね。これは光以外にも糖などの栄養分、フェロモンなどに対してもあることがよく知られています。この逆に逃げていく「負の走行性」というのもあります。ゴキブリは光に対する負の走行性を持っているためにものの影に隠れるように行動するわけですね。
その延長線上に苦いものを忌避したり、ヤドクガエルを食べないように本能的に知っている、より厳密に言えばそういう風にできているわけですね。そうであるからヤドクガエルがヤドクガエル模様である意味があるのです。
ちなみに分子生物学的にこれを説明するのはまだすこし難しいと思います。微生物などの光センサーや走行性に関しては研究が進んでいますが、脊椎動物についてはこれからの研究課題かなと思います。もし研究している方がいらっしゃいましたら教えてください。
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