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ハエには炭酸水専用の味覚がある。

サイエンスニュース-ニュートン

アメリカ,カリフォルニア大学のフィッシャー博士らは,ハエの味覚器官の中に新たな神経である「E409」を発見した。この神経が反応する物質をさがすために,塩や酸味などのさまざまな物質を試した結果,ビールと酵母に大きく反応したという。ビールの中にあり,酵母がつくりだす主な物質はエタノールと二酸化炭素(CO2)だ。さらに調べると,E409は水中にとけこんだCO2(炭酸)に反応することが明らかになった。

ハエ

ハエが持つ味覚のひとつに「水に溶けた二酸化炭素」を味として感じるためのものがあることが明らかになったという報告です。少し前の論文なのですが、おもしろかったので。

味覚というと味を感じる感覚器ということなんですが、いくつかのセンサーの集合体として捉えることもできます。ヒトの場合であれば甘み、塩味、苦味、酸味、うまみと5種類あることが知られています。ハエにはこれまでに甘味と苦味を感じる遺伝子が同定されていますがそのほかにどんなものがあるのかわかっていませんでした。

ちなみにハエの味覚は脚と翅の前縁に嗅覚とセットになってあることが知られています。つまりさわったものの味とにおいを感じることができるわけですね。結構難儀なことのようにも感じますが、さわったものの味を感じることでそれが食料になるかどうかを判断してストロー状の口を伸ばして食べます。つまり、実際に食べるときには味は感じていない。これは人間にはちょっと想像がつきにくいけど。ハエの味覚は嗅覚とともに栄養になるかどうかを判断する基準のひとつになっているわけです。

さて話を戻すと、ハエは味覚で水に溶けた二酸化炭素を味として感じる、しかも美味しい(と思うかどうかは知らないけど、好意的に)と判断することができるわけです。そして水中で二酸化濃度が比較的高いところには好物の微生物がいる可能性が高く、それを見つける判断材料として使っているようだと筆者たちは考えています。二酸化炭素濃度のセンサが味覚としてついているということです。

おもしろいのは、ハエは嗅覚によっても二酸化炭素を感じることができて、空気中の二酸化炭素濃度が高いときに忌避することが知られています。ここでは嗅覚を使っていることがわかっています。空気中の二酸化炭素は嗅覚で匂い取り、水中の濃度は味覚で味わっているわけです。

なんとなくにおいとか味は普遍的なもの(ヒトによって感じ方は違うけど、味の種類は同じ)のように感じてしまいますが、物質的には同じでもそれを感覚として受け取る仕組みが生物によってまちまちだというのはおもしろいとおもいます。あんまり想像できないけど。

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