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口の粘膜から角膜を作る再生医療

中日新聞:口粘膜 角膜再生 特殊培養皿で実現:科学(CHUNICHI Web)

口の粘膜から角膜をつくり、目に移植して視力を取り戻す−そんな再生医療の実用化が始まっている。細胞を薄いシート状に培養できる特殊な培養皿が大きな役割を果たす。応用が進めば皮膚の下に肝臓もつくり出せるという。

角膜のもっとも外側にある膜、角膜上皮を自分自身の口の粘膜から作ることに成功して、すでに臨床で成果を上げているという記事です。

角膜上皮は新陳代謝されているのですが、これは肝細胞が角膜へと分化するためです。コンタクトレンズの連続装用などで角膜に傷が付いたりしても、一晩寝ることで治ってしまったり、眼帯をするなどしてしばらく安静にしていれば時期に治るのもこのためです。

この研究では、大部分の角膜を損傷してしまった場合に幹細胞から角膜上皮細胞を培養したり、肝細胞自体を失ってしまった場合に口腔粘膜上皮の幹細胞から培養上皮細胞シートを作る技術を開発しています。
口の粘膜なんかを角膜の代わりにしてしまって大丈夫なのかなと思いますが、上皮細胞で相性が良かったのが口腔粘膜だったようです。実際にそのまま移植してしまえば角膜上皮としての働きをしてくれるようです。これはこれでおもしろいと思います。まあ、目の表面も粘膜って言えばそうですよね。
さらに移植するときには周辺部に角膜上皮または口腔粘膜上皮の幹細胞を同時に移植することで新陳代謝出来るようになるのだそうです。

研究のカギとなるのは培養した細胞をシート上に形成させることなのですが、培養した細胞のシートを培養皿から剥がすのが難しくてこれまで実現することが出来ませんでした。剥がすのが難しい理由は培養の途中で細胞が細胞間接着を行うタンパク質を生産するためだったようです。これをなくしてしまうと細胞同士の接着も出来なくなってしまうだろうからなかなか難しい問題だとおもいます。

この問題点を解決するために、温度を下げると表面の性質が変化して細胞のシートを剥がしやすくなる特殊な「温度応答性培養皿」を開発して培養上皮細胞シートの移植を実現させたということです。この培養皿の表面には温度によって性質が変化する高分子を薄く塗ってあって、温度によって表面の凹凸が変化し、剥がれやすくしているということです。

この技術のおかげでこれまで角膜移植(上皮だけじゃなくてその下まで)をしなくてはいけなかった患者さんが自分の細胞を培養したシートを移植することで上皮だけの移植ですむようになって移植のリスクが下がったということです。再生医療というとまだ先の話という印象がありますが、もうすでに始まっているという良い例だと思います。

この技術を応用するとさまざまな臓器の再生も可能になると考えているようで、肝臓の細胞シートをへその下に埋め込んで肝機能を補佐しようということも構想にあるということです。移植というとその臓器があるところにってイメージしかなかったのでこの話は衝撃的でした。でも血管とかどうするのかな?

参考サイト
東北大学医学部眼科学教室|教室案内|研究内容|角膜・ドライアイ

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