Meat meter measures marbled muscles : Nature News
日本人研究者が牛肉の味を評価する装置を開発した。日本人にとって牛肉の味は大きな関心事であり、そのニーズに応えるものとなる。

from yusheng
牛肉の味を評価する装置が開発されたという話題です。NewsカテゴリとはいえNatureに載ったのに日本では報道されていないようで、ちょっと不思議です。
牛肉で味といえばとりあえず和牛の味ということになると思うのですが、海外でもその味は認められているようで、記事の中で和牛の持つマーブル模様のサシが独特の風味とジューシーさ、さらには柔らかさをもたらしていると述べられています。
開発をした宮崎大学の入江教授はサシがあるからといって美味しいわけではなく、そのサシがある程度低い融点を持っていることが重要で、かつ融点が低くてもリノール酸が多く含まれているサシは美味しくないと述べています。つまり、サシの組成が和牛のおいしさのひとつの目安になるというわけですね。
特にオレイン酸が多く含まれていると美味しいと感じるようです。入江教授らはおいしさを数値化するためにこのオレイン酸を指標と考え、牛肉のサシに含まれているオレイン酸の濃度を測定する装置を開発しました。この装置は近赤外線を照射してその反射光を測定することでキズを付けずに含まれるオレイン酸濃度を測定できる点が特徴となっています。
しかし、Monell Chemical Senses CenterのChristensen氏はこの評価方法ではヒトの感じる味覚にはとうてい及ばないとコメントしています。ヒトはもっとより多くのセンサーで味を口全体で感じているため、人々が欲している味見のレベルには至らないだろう、そしてそのような味見装置は夢物語かもしれないとしています。
それはその通りだろうと僕も思いますが、家畜改良センターの河村氏が推進する牛肉の化学組成と味を結びつけようというプロジェクトで活躍しそうだと伝えています。この計画では、牛肉の柔らかさ、ジューシーさ、脂っこさなどと肉が持つ20の化学的組成の組み合わせを対応させようという研究で、どのような組み合わせだとうまみをよりいっそう引き立てるのかを導こうとしています。20の組成の中にはオレイン酸、リノール酸も含まれていて、現在はヒトの味覚をメインにしているため本報告の装置が役に立つのではないかと述べられています。
河村氏は、このプロジェクトが進行することでスーパーマーケットやレストランで肉のジューシーさや柔らかさなどを科学的根拠をもって評価し、表示できるようになるのではないかと期待しているようです。
日本人とは切っても切れない牛肉の味ですが、科学的な根拠をもって述べられるようになるかもしれません。単純に今あるもののおいしさが数字になるだけなら割とどうでも良いかなと思ってしまいますが、どんな組成だと美味しいと感じるのかがわかればより美味しい牛肉が生産される可能性が高くなりそうです。それだけではなく、ニーズにあった様々なおいしさを持つ牛肉が生産されるようになったらよりうれしいですね。
ただし、「美味しい」というのは味覚だけで成り立つものではなく、嗅覚にも大いに影響を受けるのでその辺の評価が難しいのではないかなと思ってしまいます。
「コーヒー味利きロボット開発」というニュースが伝えられていましたが、これからは味を定量化して、どういう組成だと美味しいと感じるのかという観点からヒトの味覚を明らかにしていく動きが活発になっていきそうですね。まだ見たことのない未曾有のおいしさに巡り会える日が来るのかな? これからが楽しみです。
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