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眠らないハエを作る遺伝子操作

‘Sleepless’ gene hints at the nature of slumber – life – 17 July 2008 – New Scientist

Talk about an all-nighter. Flies with a single genetic mutation sleep 80% less than normal flies, and some get by with no shut-eye at all.


from alwayscanadian

眠りを欲することに関する遺伝子が同定され、眠りの導入メカニズムの解明に一歩近づいたという報告です。
報告ではハエの遺伝子をたったひとつ改変することによって眠らないハエを作成しています。この遺伝子操作によって普通のハエよりも80%眠らなくなり、なかには全く眠らなくなってしまう個体もいるということです。

このことから実験を行ったペンシルバニア大学のSehgalらは、眠りがある特定の神経細胞がゆっくりと働きを不活性化することによって引き起こされているのではないかと結論づけています。この結論はハエに限らずすべての動物についても同様だと期待しています。

ハエは1日に約12時間の睡眠を取りますが、遺伝子操作されたハエたちは1〜2時間ほどしか睡眠を取らず、どこかで埋め合わせるような居眠りをしてしまうような素振りは見せなかった。そのかわり眠らないハエたちは寿命が短くなることが観測されました。睡眠で代償を払うのではなく、命の長さで穴埋めしているということのようです。
また、眠らないハエたちが脚を引きつらせていたことも観察されました。この変化は別の眠りに関する遺伝子を改変しても起こることが知られていました。

この現象をSehgalは脳細胞の不活性化こそが眠りの本質であり、それを不眠が制御している結果なのではないかと推論しています。不眠になることで神経細胞が正しく制御されなくなってしまい、その結果脚を引きつらせるというわけです。
Sehgalは脳細胞の不活性化は我々にも日頃から起こっていて、それが一定に達することで眠りが誘起されているのではないかと考えています。

ただし、この遺伝子を操作することで起こる睡眠以外へ影響について研究していくべきだと指摘されています。本当に遺伝子が直接の原因で不眠が起こっているのか、この遺伝子が改変されたことで学習や嗅覚に変化が生まれ、この結果不眠になるのかはまだ解明されていないため、本当に睡眠を理解するためにはこの研究が欠かせないと言うことのようです。

この実験はあくまでハエの実験なので、睡眠の最も原始的なメカニズムを明らかにしているものだと考えた方が良さそうです。人間の場合、睡眠中に情報の整理を行っていますから不眠が続くとより大きな影響を及ぼすのではないかと思います。脚が引きつるだけでも十分大きな影響ですが、そのまえに気が狂ったりするのかも。

それでも眠りに入るスイッチが脳細胞の不活性化にあるというのは大変興味深い結果だと思います。動物が眠りに入る前に一部の脳細胞が眠りに入るわけですね。この実験では脳細胞の活性に影響を及ぼすプロセスの一部が欠損したということです。

この遺伝子がマウスなどでも保存されているのであればより高等な生物でも実験して欲しいですね。もちろん、最後に指摘されているように高等な生物になれば他の影響が大きくなってなにが起こっているのかわからなくなってしまう可能性も十分にあるわけですが。

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