- 2008-08-05 (火) 21:13
- 医療
北大:海馬の神経細胞、カフェインで増強 研究チーム発表 - 毎日jp(毎日新聞)
記憶や学習に重要な役割を果たす脳の「海馬」の神経細胞が、心筋の細胞が収縮するのと同じ仕組みで記憶を形成し、その働きがコーヒーなどに含まれるカフェインによって増強されることを、北海道大などの研究チームが明らかにした。

from Capture Queen ™
海馬は最近ではメディアへの露出も多くなってきていて、脳の中でも記憶を司ることは比較的有名なのではないかと思います。この海馬の働きがカフェインによって増強されることが明らかになったという報告です。
カフェインには筋肉を収縮させる働きがあることが知られていますが、これは小胞体という細胞小器官からカルシウムイオンが放出されるという現象が起こるためです。細胞内のカルシウムイオン濃度が筋肉(とくに心筋)の収縮シグナルになっているわけです。
今回の発見では筋肉が収縮するのと同じことが海馬でも起こり、細胞内のカルシウムイオン濃度が高まることによって神経細胞間の情報伝達が活発になったのではないかと考えているようです。
ちょっと古い文献なのでアレですが、1999年の報告では細胞内でカルシウムイオン放出に関わっている3型リアノジン受容体(今回の報告は2型)を欠損させたマウスは細胞内でカルシウムイオン放出が行われなくなり、その結果迷路を脱出するのが上手になるなど、空間認識能力が高まったと報告されています。Facilitation of NMDAR-independent LTP and spatial learning in mutant mice lacking ryanodine receptor type 3.[Neuron. 1999]
カルシウムが豊富になっても欠乏しても神経伝達が活性化されるってことなのかな? 生物は一つの経路が絶たれるとバックアップが起動するように別の経路が活性化するということが良くあるので、この場合もカフェインが欠乏したり、豊富になったりするとなにか別の要素が働いて神経伝達が活性化するのかもしれません。
ちょっと時間が無くて追跡調査できないんですが、このあたりの論文も関係あるかもしれません。門外漢なので詳しいことはわからないのですが。
ちなみに記事の論文はまだサイト(Early Edition Articles (date view) - PNAS たぶんここに上がるはず)に上がっていないようなので読めないのがちょっと残念です。
記事の最後にあるように実験では、相当量のカフェインを摂取しないと活性化しないようなので実生活での効果はあまり期待できないかもしれませんが、そう思い込んでコーヒーを飲むだけで若干の効果は期待できるかもしれません。
海馬について詳しく知りたいっていう方にはコレを是非おすすめします。わかりやすくておもしろいのでいいっすよ。
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- カフェインで活性化する海馬 from Orbium -そらのたま-




